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なにかあり/とくになし

ペコ、クニコ、ニカ

渡辺ペコ
やっぱり好きだ。


待ちに待った「にこたま」1巻(モーニングKC)。


この連載があるがために
モーニング・ツー」を決して手に取らないよう心がけた。
もちろん立ち読みで
ぱらりんと見たくらいで
彼女の作品の価値が損なわれるなんて
あるはずもないのだけれど。


本当は先週発売日に買っていたのだが
急な報せや
それにともなう気分の変化があって
ちゃんと読めずにいた。


今だって
決して万全とは言えないが、
それでも読み始めると
ぐいぐいと中に入ってくる。


情け容赦のない筆致の
しかし
情けと赦しをめぐる男女のお話。


あなたは
ひょっとして
21世紀の向田邦子だろうか。


「たまご」「甘栗」「蚕豆」「うどん」「七味」「ラッキョウ」……。
ストーリーごとのサブタイトルは
すべて食材で
それぞれ小道具になっている。


「しょくざい」と書いて
ぼくのPCは「食材」より先に
「贖罪」と変換した。


2月には
初期の短篇(デビュー作も含む)を収録した作品集
「ペコセトラ」も祥伝社から出るそうだ。


偶然の一致かもしれないが、
二階堂和美の傑作アルバム「ニカセトラ」のことを
思ってしまう。


渡辺ペコ
ニカさんを好きだったりするだろうか。
ニカさんは
渡辺ペコをどう読むだろうか。
向田さんは
渡辺ペコをもし読んだら何と思っただろうか。


まあどうでもいいか。
妄想で
好きな女性3人を対面させたってしょうがない。


ゼロ年代を代表する傑作漫画のひとつと
信じてやまない彼女の「ラウンダバウト」に登場した女の子は
自室で
レッド・ツェッペリンのファーストを聴いていた。


明日は出掛けに
ツェッペリンを聴こう。