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なにかあり/とくになし

とりあえず一曲は風呂で決まった

明日はDJだが
何をかけようか
あまり思い浮かばない。


もともとあまり考えないじゃないかと言われれば
はいそれまでよ。


頭の中で流れるメロディーと
出たとこ勝負にまかせたい。


昨日の晩、
新宿で出会った若いよっぱらいは
「松永さん、16をお願いします」と言っていた。


“16”とは
16ビートのことだと思うが
おれってそういうイメージだったかしら?
でも適当なひとことが無意識の呪縛になって
そういうものを選んでしまうかもしれない。


そんなことを考えながら
風呂で杉本亜未ファンタジウム」5巻を再読していたら
とても重要な場面で
「美しき天然」が使われていることに
あらためて感動を覚えた。


「美しき天然」と曲名を聞いてピンとこなくても
このメロディを知らない日本人はあまりいないだろう。


チンドン屋さんの音楽というイメージで
まず誰もが思いつくのがこれ。


この超下世話なメロディと
「美しき天然」という荘厳なタイトルの
ギャップがまた胸を射る。


それはこの「ファンタジウム」という漫画を貫く
はなやかでかなしい
通底音でもあるのだと思い知らされた。


あー、「美しき天然」のメロディで
なんかかっこよくやってるようなレコードってなかったっけ?
ないか?
すくなくともぼくは持ってない。


かわりに
ビールが飲みたくなるあの曲にしよう。
とりあえず一曲は風呂で決まった。