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なにかあり/とくになし

名なしの感情

星野源「ばかのうた」レコ発ライヴを聴いた。


とてもいいアルバムだったし、
ソロでこれほどちゃんとした舞台をまかされるのは
初めてということもあって
渋谷のクラブクアトロ
そうとうな客入りだった。


おめでとうございます。


ソロアーティスト星野源には
初々しさというか
妙にキラキラした部分がまだある。


それをちょっとした変化と見るひとも
新鮮と受け取るひともいるんだろう。


サケロックで見るよりもずっと
物腰が思いがけなくやわらかかったのが印象的だった。
それも
ひとりでやるという責任感の現れなんだろう。


アルバムに入っていない曲もいくつかやったけれど
この日のライヴのために作ったという
名前のない短い曲が
やっぱりとてもよかった。


この曲のタイトルは
みなさんで「あれかな?」という感じで思ってください、
というような意味のことを星野は言った。


考えてみれば
星野源の曲には
それぞれタイトルはついているが
本人がつけた題名があっても
曲のもたらす情感が
タイトルとはまた違った名前を持って
聴く者の心にそれぞれおさまってゆくようなところもある。


うれしさともさびしさともつかない
名なしの感情を歌にするのが
うまいということなんだな、それは。