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なにかあり/とくになし

「ブレイン・ロック」オン・シンディグ!

NRBQのドラマー、トム・アルドリーノの
現在のところ唯一のソロ作品「ブレイン・ロック」。
当初は日本のみでのリリースだったのだが、
2010年の初め、
マサチューセッツ州レコード店ミステリー・トレインから
限定でアナログ盤が発売された。


そのいきさつは
ここにも書いている。


うれしいことに
世界流通商品ということで
海外の雑誌にもポツポツとレビューが掲載されだした。


イギリスの「SHINDIG!」誌に掲載されたレビューがこれ。


 1972年、ドラマーのトム・アルドリーノは家の地下室でレコーディングを行った。それは彼が伝説のはみだし者バンド、NRBQに加入する2年前のこと。そして今、借り物の楽器とケンウッドのオープンリール・デッキを使い、彼自身の楽しみのために行われたこの音楽的実験の成果は、『Unknown Brain(ブレイン・ロック)』として入手することが可能になった。
 ここに収められた短い楽曲群のありさまは混沌としていて未整理なのだが、繰り返し聴くことで即興音楽の泥沼のなかにある予期せぬメロディやポピュラー・ナンバーをいたずらっぽく解釈した断片を見出せる。それは、一晩中流れ続けるTVの深夜放送や、ぶちぶちと大きな音を立てて針飛びするガレージ・パンクのレコード、そして都市のホワイト・ノイズといった感覚を伴う、ポップ・カルチャーに対するうっとりさせられるほどに見事に常識を逸脱した回答なのだ。「キーボードやギターを習ったことはないんだ」とアルドリーノはライナーノーツに書いている。「頭のなかで鳴っているサウンドを聴こうとして、それを再現しようとしてみただけさ」
 入手はお早めに。このアナログ盤は500枚しかプレスされていない。もしあなたがサイケデリアの末端に存在する、自発的で、頭のおかしなベッドルーム・ミュージックのファンなら、これを見逃す手はない。


ジャネット・リーチ(Shindig! June 2010 issue)


明日は「MOJO」誌のレビューを紹介します。