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なにかあり/とくになし

ペンコの帰還

わけあって
しばらくかかりつけの獣医さんに預けていた
猫のペンコが帰ってきた。


10日間ほどお願いしていたのだが、
2歳程度の猫を
そんなに長い期間手放すと
飼い主の顔や家の記憶を失うし
ひどいときはホームシックで弱ったりするとも
忠告を受けていたので
若干の緊張があった。


しかしまあ、
戻ってくれば
いつものようなペンコなのだった。


極端に人見知り(猫見知り)をする性質らしいので
違う環境に心を開かなかったということなのだろう。


ただし、
飼い主の顔や家の記憶を失った猫と
あらたに生活を始めることで
今度は松永さんのことを好きになるかもしれないですよ
とも聞いていた。


残念ながら
その予想は
はかなくはずれたみたいっす。


夜中、
ペンコは
前よりもすこし多めに
にゃあにゃあと鳴いた。


ペンコなりの
うれしさの表現だろうか。