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なにかあり/とくになし

あつさのせい

度を越したあつさのせいなのか
今回の時差ぼけはいつになくひどい。


一歩外に出れば
灼熱と湿気と
冷やし過ぎの室内との
劇的過ぎるコントラストも体力をうばう。


家でも
電車でも
お店でも
隙があれば横になりたい。


しかし
そう切望するときに限って
うまくはいかないもの。


昨日の朝
徹夜明けの眠気をこらえて電車に乗ると
シートに長々と横になった先客が。


つかれきったお年寄りの男性だった。
寝相はだらしなかったが
靴は不思議なくらいきれいに脱ぎ揃えられていた。


というか
靴、脱ぐのか。
そこで礼儀の問題持ち出すか。


今朝は月曜。
さすがに車内でごろんとなっているひとはおるまいと思いきや
ひとりで三人分のシートを占領している女性を発見。


まるまると太った外人女性で、
骨折しているのか
両足をギプスで固めて前方に投げ出し
両脇に松葉杖を立てかけて
敷地をたっぷりとひろげていた。


まるで久保保久が「アザゼルさん」の隅っこに
悪意いっぱいに描きそうな……。


とにかくあれではだれも近寄れない。


二日もつづけて
電車のなかで
異様な休み方をするひとを見る奇遇よ。


あつさと時差ぼけが見せるまぼろしなのか
それとも
日常にぽっかり空いた異界への入り口か。


明日はいったい
どんなひとを見るでしょうか。


あつさのせい、と
ひらがなで脳裏に浮かぶ六文字とロックンロール。


そんな思考停止が
今年はよく似合う。


38年も前に
あつさのせい」を書いた大瀧詠一の才能を
今さらにしてなおいっそう尊く思った。


東村アキコ海月姫」5巻(講談社コミックスKiss)
見ル野栄司敏腕編集! インコさん」(リュウコミックス)を買う。


「インコさん」は
先月の寸止めを乗り越えてようやく。


思ったより全然泣ける(&身につまされる)話じゃないか。