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なにかあり/とくになし

Fワード、Sワード

実は「英国王のスピーチ」は
すこし前に飛行機のなかで見た。


日本語吹替が
いかにも急ごしらえな感じでなじめなかったが、
かと言って
キングス・イングリッシュも理解しやすいとは言えないので
チャンネルを英語と日本語で交互に変えながら。


映画の筋とは関係ないが
おもしろいと思った瞬間があった。


劇中に
ある事情から
口汚い罵倒語が連呼されるシーンがある。


そのシーンになると
英語チャンネルでは
音声がまるっきり消えてしまうのだ。
登場人物は
ぱくぱくと口を開けたまま激高している。


なんだこりゃ? と思って
日本語に変えると
吹替では
「こんちくしょう」とか「くそったれ」とか
ちゃんと声優さんが当てた声が聞こえてきた。


おそらくあれは
「f***」とか「s***」と表記される類の言葉で
英語圏の乗客には直接的すぎるとして
機内上映版では音声カットの憂き目にあってしまったのだろう。


こういう編集の例はすくなくない。


前にも書いたかもしれないが
「オールモスト・フェイマス(あの頃、ペニーレインと)」の機内上映でも
映画後半のとても重要なエピソードが
飛行機にまつわるトラブル(乱気流による急降下)ということで
まるごと削除されていたことがある。


あのシーン、
ないと意味が全然変わっちゃうんだがなあ。


まあ、それはそれ。


とにかく「英国王のスピーチ」には
そういう配慮がなされていたということ。


ちなみに日本では
その逆のケースもあるということをご存知か。


あるニュース番組を見ていたら
米軍兵士だったか市民だったか忘れたが、
とにかく一般人のインタビュー・コメントで
「f***in」や「s***」が堂々と流されていたのだ。


日本人は字幕を見るから気にしないで済むが
在日の外国人は腰を抜かしたかもしれない。


英語圏の、しかもニュース番組では
生放送のハプニングでもない限り許されないことだからだ。


では最後に
シーロ・グリーンの
今年のグラミー賞での素晴らしいパフォーマンスをこちらでどうぞ。


もともとのタイトル「F*** You」が
地上波では許されないため
彼が用意した一般流通用のタイトルが
「フォーゲット・ユー(忘れろ)」。
そのユーモアのセンスも含めて素晴らしい!