少年は泣く
「“モーツー”ではじまったコーラス漫画、おもしろいですよ」と
結構前に教わっていた気がする。
ようやく
それがコミックにまとまった。
天性のボーイ・ソプラノを持った少年と
彼が入部した合唱部をめぐるお話。
その素晴らしい歌声に
やがて残酷な変声期が訪れることを知りながら
それでも夢を見ようとする者たちの姿を
うつくしく描いている。
「少年ノート」の“ノート”とは
音符を意味する“ノート”であると同時に、
うしなわれてゆく日々を書き留めておく
記録としての“ノート”でもあるはずだ。
音に反応しすぎる
敏感な心を持った
主人公の男の子が
あきれるほど
よく泣く漫画でもある。
その涙の描き方が
好きだ。
まるで
あふれだすと止まらない歌声みたいに。
こんなふうに
歌えたり
泣けたりしたら
最高だろう。