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なにかあり/とくになし

夏の月面歩行

原宿ASTRO HALLで
かせきさいだぁ&ハグトーンズのライヴをみた。


時間の都合で共演のヒックスヴィルはみることができなかったけど、
バンド編成でみるかせきさいだぁ
とてもたのしそうで
上手いバンドというよりも
手の合う、気も合う
いいバンドをみつけたんだなあと思わされた。


思い出せば
ぼくがはじめてみたかせきさいだぁのライヴは
1990年代の後半、
新宿歌舞伎町にあったころのリキッド・ルームのオールナイト、
デ・ラ・ソウルフィッシュマンズかせきさいだぁ……
あとDJ KRUSHもでてた気がするが定かじゃない。


フィッシュマンズはもともと告知にはなくて
シークレットで登場したような記憶だけど
これもあんまりあてにならない記憶。


でも
「ロング・シーズン」をはじめて生でみたのがその夜だった。
それだけは、はっきりおぼえてる。


もうひとついうと
かせきさいだぁのライヴは
はじまって2曲目くらいでフロアで大げんかがはじまってしまい、
「やってられん」と打ち切り撤収の騒ぎだったのだ。


そのことを
先日の取材時にかせきさいだぁに告げたら
ちゃんと覚えていた。


かせきファンと「あんなの認めねえ」って連中とのあいだでおきた
くだらない一悶着からの殴り合いだったと
苦々しそうに語ってくれて
ちょっと申し訳なくなってしまった。


でも
その両方の本気も
なつかしい気もする。
あれからたぶん14、5年は経ってるのだろうか。


今夜のライヴは
新ヴァージョンの「冬へと走り出そう」と
アンコールの「さいだぁぶるーす」以外は
すべて新作からのレパートリーでそろえたいさぎよいものだった。


なつかしさをやみくもに葬りさりたいわけではなく
そのぼんやりした記憶の光も頼りにして
あたらしいバンドを
今を自分のペースで歩みきろうとしてる。


にぎやかでせっかちな
かせきさいだぁらしい曲もよかったけど
ゆく夏と
過ぎた日々とのつきあいかたを
気張らずに伝えてくれるような
「夏の月面歩行」という曲が
なんだかとてもきもちよかった。


2日ほど前に
家の近所でみつけた
ゲッカビジンの写真を置いておくとする。