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なにかあり/とくになし

いちかたいとしまさ

“いちかたいとしまさ”さんのサード・シングルが11月10日に出る。
タイトルは「青い月の下で」。
大好きな曲だ。
本当は夏に出すはずが、何かとこだわりがあって、いろいろやっているうちに晩秋になってしまったそうだ。


改めてわざわざ書くが、いちかたいさんの声は大瀧詠一にとても似ている。
凝り性なところも似ているのかもしれないな、と思う部分もあるが、大瀧さんとは違い、いちかたいさんのそれはビートルズ的な“凝り”という気がする。


大瀧さんで思い出したが、ちょっと前に書いたスライ・ストーン話のあとでふと考えたのは、
大瀧詠一スライ・ストーン説である。


両方ともラジオDJ経験者であること。
ルーツが圧倒的にポップスであること。
『フレッシュ』(『暴動』の次にリリースされたアルバム)というスライのアルバムと大瀧さんのファースト・ソロ(ベルウッドのやつ)の、疲れた空気がとても似ていること。
あれ? もうちょっとこじつけをひねり出せたはずなのに、思い出せないや。


つまり、スライの『暴動』は、なんとなくぼくには『風街ろまん』の大瀧詠一に何となく重なるのである。
一曲目の「ラヴン・ヘイト」なんて「抱きしめたい」そのままではないか。
「空色のくれよん」「颱風」「春らんまん」…、大瀧作品にじわりとにじむ頽廃といらだち。


スライの「ファミリー・アフェア」と大瀧詠一の「指切り」をつなげてみる。
すると、ピチカートファイヴの『月面軟着陸』に続いたりして。