おぼろげに探せ
今、探しているCDがある。
たぶん、真剣に探していないから見つからないだけで、
ひょっとして一部ではもう話題になっているのかもしれない。
今から30年以上前のドイツで、
若い女性シンガーが自宅で自分の歌を何曲かテープに吹き込んでいた。
ギター一本の弾き語りである。
その歌はそれから誰かに聴かれることもなく、
ひっそりと彼女の中に眠り続けた。
あるとき、息子がそれを偶然に聴いて、衝撃を受けた。
息子はそのテープをCD-Rにして、
J・マスシスに渡した。
そのCDが、今、どこかで売っているはずなのだ。
名前を書き留めたメモをどこかにやってしまった。
何となくおぼろげに覚えてはいるんだが。
こういうとき、ネットの検索って、まったく役に立たないな。
ヴァシュティ・バニヤンもひっくり返って、
あらまあ、わたしがもうひとりいた、なんて言うかもしれないのに。