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なにかあり/とくになし

スローガン

「音楽が無ければ人生も無い」というような意味の英語を
スローガンを掲げているCDチェーン店がある。


あれ? これって英語的におかしくないか?
と、ときどき思う。


この文法で解釈すると、
ボブ・マーリーの「ノー・ウーマン・ノー・クライ」は、
「女がいなけりゃ泣かずに済む」である。
これはこれで真理!


しかし、ホントの意味は、
「かわいいひとよ、泣かないで」だ。


だから、「音楽が無ければ人生も無い」を忠実に読解すると、
「音楽よ、活気づくな」になってしまう。なんつって。


ふたつのフレーズの間に必要な“means”が省かれているのだ。
ご立派な“日本語英語”になってしまっている。
外人があのスローガン見たら、結構びっくりしてるかもしれない。


それで思い出した。
1979年にアメリカで行われた、
原発を大々的に訴えるコンサート「ノー・ニュークス」は有名だ。


そのコンサートの欺瞞とビッグネーム中心の演奏への不満を訴え、
初期ライノ・レコードから若きLAパンクスを集めたアルバムが発売された。
そのタイトルは、


「イエス・ニュークス」(賛原発


やぶれかぶれだが、ユーモアがある。
こういう鋭さを持つ言葉のことを真のスローガンというのだ。