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なにかあり/とくになし

ぼくってブログを書いてるじゃないですか

……する(した)じゃないですか。


という言い回しがよく使われる。
文字だけみれば過去疑問形だが、
実際には、
「わたし、先日おじゃましてお話させていただいたじゃないですか」
とか
「ぼくも結構苦労してきてるじゃないですか」
というような遠回しの自己主張。
そのほとんどが自分に都合のいい押しつけである。


さも敬意を相手に印象づけているかのような、
しゃらくさいレトリックはもう聞き飽きた。
日本語覚えたての外人さんは意図を汲み取れなくて困るだろう。


これを聞いていつも何となく思い出してしまうのは、
大相撲の、かつての名大関・若島津(現・松ヶ根親方)のこと。


現役引退後、九州なまりの残る朴訥とした口調で解説を務めていたのだが、
「ここで投げを打ちますですね」
というような二重述語をよく使っていた。


慎重さを心がけるがゆえの言葉のオーバードーズ
間抜けと言えば間抜けである。
だからこうして覚えてもいるのだろう。


しかし、その印象は「する(した)じゃないですか」とは真逆。
100%の好感である。