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なにかあり/とくになし

本は減る、本のhell

ちょっと前に本の供出について書いたが、
過日、三鷹の古本屋にそれらを売本として持って行った。
買取ではなく、富士吉田市で開催されるフリーマーケットへの出品である。
売れ残りは処分してもらう方向。


その話をいただいた古本屋、
上々堂」と書いて「しゃんしゃんどう」と読む。
南口を出て、まっすぐ歩いて10分ほど。
なかなかに気合いの入った擬古調の店構え。


段ボール2箱とトートバックひと提げ分の本を預け、
文庫本を3冊買う。ダウンサイジングのつもり。
田中小実昌「乙女島のおとめ」(集英社文庫、表紙は滝田ゆう)、
田辺聖子「妾宅・本宅」(講談社文庫)など。


本は減るが、本のhell(地獄)は続く。


しかし、それらはとりあえず置いとこう。
今日、夜の打ち合わせの待ち時間に阿佐ヶ谷「書楽」で題名だけ見て買った
「芸術とスキャンダルの間 戦後美術事件史」大島一洋講談社現代新書)がおもしろい。
美術品の真作、贋作を巡る詐欺事件、スキャンダルと、
そこにまつわる有名無名の人間たちの人生がおもしろすぎる。


本書収録の佐伯祐三贋作事件(つい10年ちょっと前の事件である)をめぐる
顛末のものすごいスケールに比べれば、
こないだのイタリア画家盗作事件なんて、
ままごとレベルでしかないと思い知るだろう。


夜中、ひそかに愛読してきた「週刊ファイト」が今月いっぱいで休刊と知る。
実話スキャンダルのノリを一貫して守ってきた大阪発のプロレス紙である。