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なにかあり/とくになし

トザン・マン

昨日も書いたが、山岳漫画の「岳」を
気に入って読んでいる。


山。
登山。
ぼくには縁もゆかりもなさそうな言葉だが、
大学6年生の年、
何としても卒業をするために、
文字通りの最大の山を登った。
それが槍ヶ岳


体育の単位を取るために、
夏の合宿というかたちで登山を選択する。
そうすると、通年の授業が要らなくなるのである。


体育会山岳部の連中にせき立てられ、
ニール・ヤングの「サザン・マン」を「トザン・マン」に替え歌し
(当然、ひどい悪意もこめ)、
のこのこと山を登った。


槍ヶ岳の頂上の眺めは気持ちよくて、
憎たらしいものだった。


新田次郎の小説とか、今読んでいる漫画の「岳」とか、
ときどき自分の中の“山”がぶりかえすのは、
あのときの登山のせいなのだろう。


ちなみに、卒業にはさらにもう一年かかった。


当時は極貧だったので、
帰途は長野駅からキセルで東京帰りを試みたのだが、
それはまた別の話にしよ。