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なにかあり/とくになし

凄六

双六と書いて「すごろく」と読む。
小学生の頃、双六を作るのが好きだった。
ノートや新聞の折り込みチラシの裏側に手書きするのだ。
それを使って、弟たちと遊ぶ。


誰が考え出したのか知らないが、
双六には、「あがり」にぴったりのサイコロの目で
着地しないといけないというおそろしいルールがある。

たとえば、残り一マスまで来ていても
そこで六の目が出たら、五マス後退。
そのマス目が「三回やすみ」であったら、それに従わなければならない。


ぼくの双六ではそのルールを最大限に活用して、
「あがり」の直前は、地雷だらけであった。
「ふりだしにもどる」や「十回やすみ」のオンパレード。
もはや、生き残っているものは誰もいないという状況である。


それでも、長く遊べるということが最大のポイントだったので
難攻不落の城を攻めるような感じで楽しんでいた。
あるいは迷宮入り実体験とか。
だから、今でも「双六」という字がいまいちピンとこない。
ぼくとしては「凄六」のつもりだったからだ。