mrbq

なにかあり/とくになし

筆おろし

こないだのミュージックヘアーのライヴ会場で売っていた
「筆おろし」という女性3人組のCD
「LIVE IN JAPAN」を買った。


筆おろし。
ははーっ、とひれ伏したくなるお名前。


メンバーは長見順(ギター、ヴォーカル)、
グレイス(ドラムス、ヴォーカル)、
柴草玲(ピアノ、ヴォーカル)。


なんのことはない。
この3人がミュージックヘアーのライヴでも
事実上の中心であった。


だから、大西ゆかりが袖に引っ込んだ場面での
ミュージックヘアーの演奏を思い出しながら聴ける。


大西さんの歌は以前よりもはるかにシェープアップ&ショーアップされていて
出てくるだけで華やかさが何割も増したが、
この企画ではいかんせん持ち歌が少ない。


だから、自然と大半を占めるのは
長見順柴草玲を両端に置いた
筆おろしの時間になる。
それは、ぼく好みの演奏でもあった。


じわりとヘン。
やけにツボ。
不意にシビレ。
まさかのホロリ。


筆おろしのCDに写っている3人の女性は
写真のロケーションも手伝って
失礼ながら異国の、それもどこかの海洋の方々にしか見えないが、
日本人女性シンガーの極北というか、極地と極致が
ある意味、ここには共存している。


ちなみに
長見順、グレイス、かわいしのぶ(ベース)で
「パンチの効いたブルース」というバンドにもなる。


その演奏はギターマダム長見順のCD
「超スローブルース」に収録された「舟唄」で聴ける。


かわいしのぶは回文作家でもあり、
「回文堂」という、これまたじわりとヘンな文庫本(新潮文庫)を出している。
それも買った。


この東京に4人の才女(怪女)がいることを知ってしまった。