リック・メンク
リック・メンク(Rick Menck)の名前を久々に聞いた。
1990年代にマシュー・スウィートとの絡みで名を挙げた
東海岸きってのパワーポップ・バンド、
ヴェルヴェット・クラッシュのリーダーであり、ドラマー。
リックは80年代から数々のバンドを渡り歩いているから、
今では結構な歳のはず。
あいかわらずキース・ムーンが
やせぎすのナードに乗り移ったような
最高のドラムを叩いているだろうか。
リック・メンクの名前を久しぶりに目にしたのは
ヴェルヴェット・クラッシュのレコードではなく、
彼が書いた本だった。
コンティナム(Continum)という出版社から
続々とリリースされているポケット・ブック「33 1/3」でのこと。
レジェンダリーなアルバムを一枚採り上げて、
ライターたちが一冊まるごとを使って書く
評論のかたちを借りたラブレター。
2003年に出た第一弾が「ダスティ・イン・メンフィス」。
最初の一枚からして、しびれさせる。
以下、「フォーエヴァー・チェンジズ」
「ハーヴェスト」
「ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェーション・ソサエティ」と続く。
思い入れさえあれば、
ビースティ・ボーイズやレディオヘッドの登場もいとわない。
まいったな。
これ、誰のためのセレクションだ?
ああ、おれか、
そう呟くぼくの、あなたのための本だ。
リック・メンクの登場はその最新刊で、
第43号となる。
彼が選んだのは「ザ・ノートリアス・バード・ブラザース」。
「名うてのバード兄弟」である。
手帳サイズで143ページ分のラブレターをしたためた。
音楽を、ちゃんと文学すれば
それは音学になるのだ。
音楽を楽してわかろうっていう音楽(おんらく)じゃないよ。
あ〜、くやしい!