mrbq

なにかあり/とくになし

ラウド・クァイエット・ラウド

ユーロスペースで上映されていた
合唱ができるまで」という映画、
買付からの帰国のタイミングに間に合わず
残念ながら見逃した。


その穴埋めというわけではないのだが、
ご近所のバウスシアターは何をやっとるじゃろかと調べてみたら
レイトショーでピクシーズの再結成ドキュメント映画
「ラウド・クァイエット・ラウド」をやっていた。


ぼくとピクシーズ
縁遠いようで、実は近い。


若くして亡くなった友人もピクシーズが好きだった。
彼の訃報は世紀が移り変わる頃、
ちょうど春ぐらいに聞いた。


映画の中で、
すでにいい歳になって、
それぞれの生活も事情も違った4人のメンバーは
お互いを裸のままぶつけあう愛憎も枯れて、
このバンドで何か新しいものを作り出そうというバイタリティも無いのに、
演奏が始まれば、思いがけない興奮にとらわれる。


もともと仲良くなるのが不得意なのに
大のおとなになってもっと自分を譲れなくなってしまったひとたちが、
肩寄せ合うことを拒否しながら、
少しずつ手を伸ばしてみようとする姿は
若い観客たちにはどう映るのだろう。


演奏していないときの
ピクシーズの姿の方が
この映画の重要な骨だった。


喉に刺さって、当分抜けて取れないよ。