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なにかあり/とくになし

平和島3月21日(未遂)

おそろしいことがあるものだ。
昨日、優勝を祈った競艇植木通彦選手が
平和島競艇場で開催された「総理杯」決勝戦
まさかまさかのスタート・フライング。


失格である。


競艇のスタートは、
ボートがトップスタートで飛び出すために
15秒前から助走をつけるというルールになっている。


時計がコンマ0秒になったときに、
設定されているスタートラインを超えてさえいなければ、
どこから助走をつけてもOK。


逆に0.1秒でもそのラインを超えてしまうと、
そのレースでの競争資格を即座に失う。
さらに、フライングが累積2回になると、
あらゆるレースに出場停止90日の厳罰がくだるのだ。


しかし、今回、植木選手が犯してしまったフライングは
年に8回しか開催されない競艇界の最高峰
SGレースの、よりによって決勝戦でのもの。


その瞬間、植木選手は今後一年間の
SGレースへの出場資格を自動的に剥奪された。
植木選手ぐらいのクラスになると、この意味は重たい。
優勝賞金数千万のレースに今後一年間参加できないのだから。


何故、このような厳罰がくだされるかというと、
SGの優勝戦ともなれば、
レースに投票される金額は莫大にのぼるからだ。
植木選手への投票はすべて無効(払い戻し)になる。
ファンに与えた精神的損害、
そしてモーターボート協会に与えた金銭的実害の
責任を負うわけである。


ああ、それにしても植木。
そのフライングは、わずか0.01秒!
こんなことがあるのかよ、と天井をあおいだ。


これでおれも大損だ……、
って言いながら、実は平和島には行ってない。
原稿仕事の手休めにテレビ観戦。


なんだ、おれ、もともと舟券買ってないし。
得した! 得した!


なんだかうれしくなってコンビニまで買物に出かけてしまった。


植木選手の勝負勘には、くもりはなかった。
来年だ,来年!