mrbq

なにかあり/とくになし

真ん中のひと

過日。
ツマとふたりで自転車に乗っていて
狭い曲がり角に立っていた
年嵩のサラリーマンを二台で
挟み込むかたちになってしまった。


そのとき、
サラリーマンが大きな声でひとりごと。


「真ん中だ〜」


人間、心の中で思っても
なかなか口に出さないタイプの言葉がある。


この日、
ぼくは、そういう“心の声”を聞いた。
そう思うと、味わいが深いようなそうでもないような。