GUIROの描いた絵を読む
GUIROのデビュー・アルバム
「Album」を一足早く手にした。
正方形の紙ジャケ仕様。
と言っても、
今どき珍しくもない
ベルトコンベア式につくられた紙ジャケじゃない。
紙質にこだわり、
製法にこだわり、
折り方にこだわり、
見開きにこだわり、
インクにこだわり、
デザインにこだわった。
だが、
そうした数々のこだわりの重たさを
あっけらかんと封じ込めようとしているのが
このジャケだ。
ジャケのデザインを見れば
誰もが感じるだろうが、
国旗のようで国旗ではない。
赤い丸が大きい。
肥大したさくらんぼうのようでもあり、
傾いたリンゴのようでもあり、
日本というものに毛が一本生えたかのようでもある。
重要なのはイメージを決めてしまうことではなくて
手の込んだ曖昧さを突き詰める度胸なのだと
勝手にぼくは解釈した。
赤い丸からぴょんと出た一本の毛は
「君の心臓に毛は生えてるかい?」と
問いかけているようにも見える。