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なにかあり/とくになし

ハリウッドをカバンにつめて

ちょっと前に読んでいた
和田誠「装丁物語」(白水uブックス)は
ブックガイドとしてもなかなか有用な一冊で、
そこで紹介されていた本を
いくつか見つけては買っている。


存在を知って
思わずハッとしてしまったのが
サミー・デイヴィス・ジュニアの
「ハリウッドをカバンにつめて」(早川書房)。


サミーにとっては二冊目の自伝だが、
こちらは彼の半生と同時に
愛してやまない映画についての文章が
中心になっている。


絶版になって久しいが
それほど需要もないのか、
比較的安価で入手することができた。


サミーいわく、
ショウビズの世界にいて、
自分はジャック・ヘイリーと同じくらい
映画についての知識と愛情があると自負している。


ジャック・ヘイリーとは
あのMGMミュージカルのアンソロジー映画
ザッツ・エンタテインメント」の
監督・編集を務めた人物。


しかし、
そんなふたりでもかなわない存在がいるという。


それは誰あろう、
メル・トーメ


とりあえず読み始めて間もなくからし
そんなエピソードと
粋な語り口が満載になっている。


女中シメキリの目を盗んで
しばらくはこの本を読み続けるとする。