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なにかあり/とくになし

押し出しが変わった

昔、相撲を見るのが好きだったもので
今でもダイジェストみたいな番組をやっていると
ときどき目を奪われる傾向がある。


これは何となくの印象だが、
押し出しが変わった。


押し出しの
押して出す
その出し方が変わったという気がする。


ふまじめな観客の意見なので
適当に聞いていただいてもかまわない。


昔は押し出すときに
押す側の力士が
土俵を割る力士の背中やふとももの上を
しかと抱えていたように思う。


「おれの前から消えてなくなれ」
ではなくて、
「はい、おしまい」
といった感じで
優しく圧倒していたのだ。


そういう本物の厳しさや大きさが
今は土俵にあまりない。


大きな手で頭をなでられて
反抗したくても手が届かないような大きさ。


あるいは、
そういう力士に目が行っていたということか。


岩岡ヒサエの「花ボーロ」(IKKI COMIX)に収録された
「悩める先生」という短篇を読んでいて
そのことを突然思い出したのだった。


小学校の女性教師が
ある理由があって
デブ恐怖症なのだが、
給食センターの先生(優しいデブ)に告白されるという話。


その話に太ったひとが出てくるからというだけでなく、
岩岡ヒサエの作る話が
何となく、
昔見た押し出しのようだったのかもしれない。


「オトノハコ」
「花ボーロ」と読んだので
次はいよいよ「土星マンション」か。