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なにかあり/とくになし

二階堂さん

夕方になって急に寒風と雨に見舞われた渋谷だったが、
クアトロの中に入ったら超満員。


キセル
レイ・ハラカミ
二階堂和美
渋谷クラブクアトロ20周年、
カクバリズムpresents、
以上5つの要素が絡まりあっての動員かとも思ったが、
結局のところ、
「今日、見ておかねば」という観客の緊急度では
二階堂さんだったのかもしれない。


二階堂さんのことを
みな、“ニカさん”と呼ぶ。


ぼくは二階堂さんと
打ち上げなどで
結構至近距離に居合わせたことは
今日もふくめて何度かあるが
話はおろか、
挨拶すらしたことがない。


だから
“二階堂さん”と敬称で書いている方が
何となく気持ちが落ち着くべきところに落ち着く。
そんな気がする。


大学生のころ、
ともだちのともだちに手相を読む女性がいて、
そのひとに自分の性格の
隠しておきたかった部分を
けらけらと笑いながら
ずばり指摘されたことがある。


二階堂さんを見ていると
その女の子のことを思い出す。


あるいは
田辺聖子の小説。


話すと何かが暴かれる気がして
ぼくはオクテになっているのだ。


だけど
彼女の発言や文章や対談や人生観やらを集めて
一冊の本を
ぼくがおびえながら作ったら、
彼女の持つ喧嘩腰と柔らかさが混じり合って
きっと予測のつかないおもしろいものが出来るだろう。
そんなわけのわからない自負を覚えた。


その本の名前を
今日のライヴを見ながら決めた。


二階堂和美の「発声」。


そんな予定もオファーも
世界のどこにも今のところないんですが。


先行発売していた
「ニカセトラ」のアナログLP(カクバリズム)は
たまらなく購買意欲をくすぐる大きさだった。