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なにかあり/とくになし

勝たずに勝っている

なんということか。
今年、最初に見たライヴが
突然段ボールO-Nestになってしまった。


正確に言うと、
PANIC SMILE
向井秀徳アコースティック&エレクトリック
突然段ボール
の順番に見たので、
今年最初に見たライヴは
PANIC SMILEで、
彼らも向井ソロもおもしろかったが、
くわっと神経を射たのは
“突ダン”だった。


去年出たアルバム「D」が
ぞくぞくさせるアルバムだったこともあるけれど
30年以上やっている彼らを
ぼくは40年生きてきて
ライヴを見るのは実は初めて。


結論から言うと
とても感動した。


ECD湯浅学をはじめ
アルバムに参加したゲストが
ほぼ出そろう豪華版。


「こんなにお客さんがいるライヴ初めて」
というようなことを
兄・蔦木栄一亡きあと、
ひとりでバンドを率いる
蔦木俊二はみもふたもなく言った。


向井ソロ目当てのお客が一部帰ってしまっても
まだ会場には熱気はあった。


そばやの出前とも
ちょっと疲れた駅員とも見えるし
パチンコ屋で隣に座っていても
なかなかものをつくるひとだとは気がつかないかもしれない
蔦木俊二の放つオーラは
てごわいゼロであって
ひよわなマイナスではない。


曲がりくねった道を
最短距離で突き進む音楽。


あるいは
曲がった道を直線と思い込み、
他人の歩む直線を
曲がった道と見る力。


時代とか現代とか人気とか比べる対象はどうでもいい。
突然段ボールは勝たずに勝っている。


最高でした。