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なにかあり/とくになし

横尾さんとことばおじさん

NHK朝の再放送枠でやっている
知るを楽しむ」(月〜金 10:05〜10:30)のことを
よく書いている。


この枠は
ちょうど我が家の朝食時間帯にぶつかる。
だから、必然的に
“ながら飯”のお供になるわけ。


今日まで4回連続で
「人生の歩き方 横尾忠則」をやっていて
さすがにこれは毎日見た。


横尾さん本人の履歴と性格の愉快さ、痛快さはもちろんとして
インタビュアーに
ことばおじさん”こと梅津正樹アナウンサーが
抜擢されているのがおもしろかった。


横尾さんの言っている
理解しがたく映るが実は正論という部分を
ことばおじさん
テンピュール枕のように吸収する。


あるいは
どんな異論も
このひとが相づちを打てば
不思議と納得がいくような
奇妙で絶妙なトークのバランスがあった。


ことばおじさん
身近な日本語のルーツを探ったり
正しい使用法を教えてくれたりする教育テレビの5分番組
「ナットク日本語塾」は
夜中の12時台にこつ然と再放送をしていて、
ザッピングでぶつかるのを
ひそかに楽しみにしている。


へえ、と思ったのは
「若者たちが雰囲気(ふんいき)を“ふいんき”と言っている」
というテーマの回に
梅津さんが言い放った持論だ。


今、みんなが普通に使っている言葉
“新しい”も、
本来は古語“あらた”から来た“あらたしい”が正解なのだが、
それでは言いにくいから自然に
“あたらしい”に言い変わってきたのだという。


梅津さんは“ふいんき”も
そっちの方が言いやすいしかっこもいいと
大衆的な判断があるのであれば
むしろ全然OKだという立場なのだった。


このひとは
固い頭の原則論者とか古典絶対主義者ではなく、
流動性を認めることこそが文化を強く長く育てるという
すごくモダンな考えの持ち主だとわかる。


もっと言えば、
「こっちの方がいいじゃん!」と認める力には迷いがない。
その力を信頼するのが
未来を見るということなんだ。


「“みぞゆう”の方が、かっこいいじゃん!」と
あのとき吉田茂の孫もダメモトで言ってみりゃよかったのに。


ところで!


今日で当ブログ、
恥ずかしながら
1200日目になりました。