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なにかあり/とくになし

帰京

昼ごろから
博多の街に雪が強く降り始めた。


東京に戻る飛行機まで
まだ時間が結構あったので
この街に住む松永家の四男坊夫婦と
しおらしい2歳のKくん一家と楽しく過ごさせてもらった。


午後には一家に連れられて
太宰府天満宮にお参りへ。


道中も雪は降りやまず、
思いがけず雪景色に。


地元に住む彼らも
初めて見たというほどの
白い太宰府


猫の冥福を祈る場所、
ではないので、
すこしでも(ぼくが)しっかりしていられますように
次にまたいつか猫を飼うときは
もうちょっと(ぼくが)かしこくなりますようにと
菅原道真にお賽銭をふんぱつした。


容赦なく降る雪で
飛行機は少し離陸にてまどったが、
飛んでしまえばあっさりと東京へ。


なきがらは
先に長崎から到着していたツマが引き取ってくれていた。


買ったばかりのピンク色のちぐらに
白い布。
猫はそこに眠っている。


ふたり揃って
猫の顔を見た。


最後は眠るように
すんと亡くなったそうだ。


獣医さんでも
何故か涙はでなかったとツマは言っていたのに、
すでに眼は真っ赤になっていて、
ぼくも限界だった。


目からくしゃみをしたかと思うほど
不意に泣きべそをかいてしまった。


目からくしゃみが出て
もうどうしようもなく止まらなかった。