絶交するぞ
テリー・アダムスの新しいソロ・アルバム
「ホリー・トゥイート」が
想像以上に良い出来で
びっくりしながら聴いた。
前のソロ作は
彼がひとりで
前衛的とも受け取られかねないジャズ・ピアノを弾いているもので
美しい壊れ方をしていて好きだったけれど
小声でひそひそと愛しあいたい雰囲気が何となくあった。
今回は、
ポップなテリーが堂々と帰還している。
それがうれしい。
ポップなだけでなくて
メロディは切なくて
歌声がやさしい。
仲良しだったのに別々の中学に進んだともだちが
久々に家に遊びに来た感じ。
長くNRBQの来日を手がけてきた中島英述さんのライナーノーツによると、
今度の新作が気にいらなかったらおまえとは絶交する
というような意味のことをテリーは言っていたらしい。
それほどに自信満々だというのも頼もしいが、
"おじいさん”に手が届く年齢になっているのに
「絶交するぞ」なんて
こどもだましの脅し文句を突きつけているのが
とてもおかしい。
「フィート」という短い曲が
とりわけとても好きだ。