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なにかあり/とくになし

たとえば小沢健二の「LIFE」に

入江亜季の描く女性のフォルムについて、
何か足し忘れている気がして、
帰り際に思い当たった。


小島功!(ヒゲとボイン


入江亜季の描く女性は
手塚治虫
ジョージ秋山
小島功
みなさんの好きないろいろな理想を
足して
割らなくてもいい
かなり魅力的な絵だ。


ストーリーテラーとしての切れ味の良さは
また別の機会に置く。


口笛が得意で
ヴァイオリンを弾き
魅力的なシンガー・ソングライターでもあるアメリカ男、
アンドリュー・バードの新作
「ノーブル・ビースト」が
ビルボードの全米アルバム・チャートで初登場12位だと聞いた。


びっくり。


これほど特殊なアルバムが
あっさりそこに入り込めてしまうのは、
全米でのCDセールスの全体的な低下
およびメガセールスとそうでないものの二極化が進み、
そこそこ売れると良い順位に入ってしまうという傾向の
ひとつの象徴でもあると思う。


1位は百万枚。
5位は十万枚。
10位以下は数千枚の争い、とかね。


似たような例は
日本のオリコンでもここ最近は頻繁に起きている。


とはいえ、
数字のマジックであったとしても
この順位にニュースとしての力はある。


ぼくも
数字に額を押されて
ぐっとうしろにのけぞった。


それはともかく、
アンドリュー・バードの素晴らしいアルバムの、
もっと素晴らしいのは限定版で出ている2枚組CDで、
その追加されたディスク「ユースレス・クリーチャーズ」だ。


こちらは全曲クラシカルなインスト。


クラシカルといっても
一筋縄ではいかない改造が施されているのだが、
聴きにくくなっているという意味ではない。


冬場に現れた季節はずれのかげろうが
美しくゆがんで見えているような音だ。


たとえが適当なのかわからないが、
小沢健二「LIFE」のボーナスCDに
「毎日の環境学」が付いてきた、
そんな印象。


冬ももうすぐ終わるが、
まだ寒い春に
しばらくこのCDを聴き続けると思う。