mrbq

なにかあり/とくになし

話し合えるさ

忌野清志郎の具合は
大丈夫なんだろうかと
ときどき考える。


去年の暮れには
世界一周をする間寛平のために
応援歌をレコーディングしたというニュースも伝え聞いていたので、
大丈夫ということなんだろう。


うっかりしていたわけではないが、
去年、
ブルーノート東京
復活ライヴを見てから
この2月で一年が経過していた。


あのとき
冗談ではなく
まだこのひとを失いたくはない、
失うべきじゃない
と思ったのだった。


清志郎のことを思い出すとき
最近、頭の中を流れるのは
RCサクセションやソロ時代の名曲だけではない。


フジテレビがお台場に移った97年ごろ、
なぜか11時台のニュースで流れた
村上ポンタとのセッション。


そのとき
清志郎
ザ・バンドの「ウィ・キャン・トーク」に
日本語の訳詞をつけて
「話し合えるさ」と歌った。


それは
RCの解散についての歌だった。
今なら、あのなくなってしまったバンドについて
話し合えるさ、と
生放送で歌ったのだ。


何の前触れもなく流れたそのカヴァー、
そのころのライヴでは
ひょっとして歌ったりしていたのかもしれないが、
ぼくが聴いたのはそのとき一回だけ。


すでにRCが
活動休止を発表して数年後の
いくぶん間の悪いタイミング。


しかし、
あのとき
あの歌を歌いたいし、
どうしても歌わなくてはならなかったんだなあ、清志郎というひとは。


今なら言えるかもしれない、ってこと
誰だって
心にひとつやふたつや
数えきれないくらいあるからさ。


ちなみに
「ウィ・キャン・トーク」は
ザ・バンドのファースト・アルバムで
リチャード・マニュエルの書いた曲だ。


彼がこの曲が好きだというのも
とてもうれしかった。
だからよけいに
今も忘れられないでいる。