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なにかあり/とくになし

ちょっとどこかに行きましょうか

ビーチボーイズの、
できれば「ペット・サウンズ」全曲を
カヴァーでそろえようと思うと
結構ハードルが高い。


「ペット・サウンズ」(曲の方)を
ジャズ・ヴィブラフォン奏者の
フレディ・マッコイで見つけたときはびっくりしたし、
「駄目な僕」は
ヒュー・マサケラのヴァージョンが最高だと思う。


スループ・ジョン・B」は
「ジョン・B・セイル」とか、ほかのタイトルなら
カリプソやフォークの世界にあきれるほど録音がある。
というか、こっちの方がオリジナルか。


あえて選ぶなら
ロニー・ドネガンのヴァージョンがかっこいい。


カーメン・マクレエの「ドント・トーク」も
重くて秀逸なUK録音。


「素敵じゃないか」は
ホリーリッジ・ストリングスでOK!
カヴァー・アルバムの幕開けにもいい。


そうやって選んでいくうちに、
どうしても残るのが
「ザッツ・ノット・ミー」に
「ユー・スティル・ビリーヴ・イン・ミー」、
そしてきわめつけがインストの
「レッツ・ゴー・アウェイ・フォー・ア・ホワイル」。


存在が確認出来るだけでは不満なのだ。
存在しているのならば
どうしたって聴いてみたい。


そうだ!
先月ロスで会ったライノ・レコードのリサーチャー、
アンドリュー・サンドヴァルがいるじゃないか!


彼は60年代ポップスのオタクであるだけでなく、
すぐれたミュージシャンでもある。
スペインで出た彼のベスト盤で「ザッツ・ノット・ミー」が聴けたぞ。


さあ、あと2曲をどうするか。
「レッツ・ゴー・アウェイ・フォー・ア・ホワイル」は
ニール・ヤングのサントラ
「ジャーニー・スルー・ザ・パスト」に収録されているが、
なんとこれ、カヴァーではなく
原曲をそのまま再収録しているのだ。


何となくそのことを考えながら
つい最近CDショップをうろついていたら、
思わぬところに幸運は転がっているものです。


ベイビーロックという
若い世代の子持ち夫婦のために
ロックを子守唄風にカヴァーしたCDばかりを出しているレーベルが
ビーチ・ボーイズ篇を出していて、
そこに問題の2曲が入っていた。


というか、全部で11曲しかないのに
「ペット・サウンズ」の中でも
相当に地味なこの2曲が入っている選曲は、
かなり変だ。


きっと、
子持ち夫婦だけじゃなくて
ぼくみたいなやつが手に取るに違いないぜと
思ったのかもしれない。


TOKYO's COOLEST COMBOを10倍に薄めたような
インスト・カヴァーで、
「ちょっとどこかに行きましょうか」
なんて邦題が似合いそうなゆるい感じだけど、
うれしいから許してあげる。


このレーベルをチェックしたい方は
こちらへどうぞ。


では2009年3月3日時点での
「ペット・サウンズ」カヴァー集(外人篇)を
発表します。


Side A


01 Wouldn't It Be Nice / The Hollyridge Strings
02 You Still Believe In Me / Lullaby Renditions of The Beach Boys
03 That's Not Me / Andrew
04 Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder) / Carmen McRae
05 I'm Waiting For The Day / Peanut
06 Let's Go Away For A While / Lullaby Renditions of The Beach Boys
07 Sloop John B / Lonnie Donegan


Side B


01 God Only Knows / Ben Kweller
02 I Know There's An Answer / Frank Black
03 Here Today / Robb Storme Group
04 I Just Wasn't Made For These Times / Hugh Masekela
05 Pet Sounds / Freddie McCoy
06 Caroline, No / Nick DeCaro


ピーナッツとロブ・ストーム・グループは
日本が世界に誇る
リイシュー・レーベル、em Recordsからの7インチ再発。


フランク・ブラックが歌っているのは
歌詞改編されておとなしくなる前の原詞版で
タイトルは「ハング・オン・トゥ・ユア・エゴ」。


「ゴッド・オンリー・ノウズ」のカヴァーはいっぱいあるが、
ベン・クウェラーのは
最近you tubeで見つけた。
断片的だが、これは泣ける。
正式な録音はないみたい。


異論はいろいろありましょうが、
どうぞみなさんお好きなようにお作りください。


ぼくはこれから
J-POP版「ペット・サウンズ」カヴァー集を妄想してみます(とりあえず非公開で)。