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なにかあり/とくになし

リズム&ペンシルの夢と現実

朝方から妙にお腹が張っていた。


朝ご飯は何とか食べられたのだが、
ブログを書いているうちに
どうにも具合が悪くなってきた。


バンヒロシさんから送られてきた
安藤明子「Anの部屋」をかけたところで
ばたんきゅう。


夢とうつつの境界線より
ちょっと“うつつ”寄りの場所で
その弾き語りを聴いた。


なかなか夢の世界に移れないのは
ちょっと腹がいたいから。


昼には何とか起き上がり
今日しかチャンスがない確定申告を済ませるために
荻窪の税務署へ。


ほうほうのていで帰ってくると
何だか寒気がするし、
今度はおしりの方でもゲリラ活動が始まった。


タフで猛烈なゲリラ活動に耐え忍ぶうち
もうろうとしてきて
あたりもくらくなってきた。


夜も深い時間、
リズム&ペンシルのKから呼び出しがかかった。


これからSも加えてこみいった話があるから
場所を用意してくれないかという。


お腹がいたいんだけどと
言い訳をもごもごとするうちに
いつものように押し切られ、
出かけることにした。


場所は都内にあるJさんの家にした。
Jさんはリズム&ペンシルの活動のファンだということで
よろこんで場所を提供してくれた。


3人で上がり込み
白っぽい部屋にぽつねんと置かれたこたつを囲んだ。


しかし、
どうにも話がはずまない。
Jさんは妙に気を使って
彼らしくないギャグを言っていた。
気の毒なことをした。


らちがあかないので
外に出ようとぼくが言い出し、
でたらめに電車を乗り継いで
適当な駅で降りた。


そこは水道橋だった。


不景気のせいか、
ネオンが消え、
ビルの影だけが不穏に伸びる水道橋。


ガード下にある屋台をJさんが見つけ出し
そこで飲み直しましょう、と言った。


Jさん、
リズム&ペンシルでは
ぼく以外はお酒をまったく飲まないんですよ、
そう言おうとしてびっくりした。


その屋台、横に何百メートルはあろうかという長さだったのだ。


その中程に場所を見つけ
左右のサラリーマンにちょっとだけ席を譲ってもらい
何とか腰掛けた。


頼みもしないのに出て来たコップ酒には
白くやわらかそうな塊が入っていた。


これは白梅か何かかしら?


何百メートルもの幅を小走りで切り盛りしているおやじは
こともなげに言った。


「あたしの噛んだガムのかすです。
 健康にいいんですよ」


ふざけんな!
とJさんが立ち上がった。
気がつけば、KもSもすでに退散したあと。


おやじはろうばいして
一冊の絵本を差し出した。


「お詫びのしるしです。
 あたしが描いた絵本です」


絵本の表紙には
ただ大きく墨で「竹」と描かれていた。


そして今は翌日(つまり12日)。


Jさんの不思議な接待をいかにしてやりすごし、
水道橋からどうやって家に帰ってきたのか、
まったく思い出せない。


なんのことはない。
すべてはうんうんうなって
お腹を押さえていた間に見た夢だった。


あるいはこの夜、
リズム&ペンシルの会合は
夢の中で本当に行われたのかも。