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なにかあり/とくになし

男の伝記、男たちの新譜

仕事で必要があって
とあるアメリカ音楽関係者の伝記を取り寄せた。


ロックを男前に仕立てた伝説的なプロモーター。
いっぱしの策士なのか、
それとも天然児なのか、
これから読み進めればわかる。


まだ読み始めたばかりだが、
これがめちゃくちゃおもしろい。


なにより
単なる伝記というより、
これは本人を含むあらゆる関係者の証言を
丹念に集めて紡いだ
一本の群像劇映画のような構成がツボ。


ト書きを加えずに
発言者のセリフだけで
これだけのヴォリューム(500ページ超)にするには
膨大な時間と労力という
月並みな言葉では足りないほどの熱量が消費されたはず。


こりゃ
斜め読みで済ませそうにないなと
冷や汗をかいているところ。


とりあえず今、
風呂を中心にずぶずぶと熟読中。
シメキリはもうすぐなのに。


Scoobie Doのニュー・アルバム「SPARKLE」の先行サンプルが
渡米中に届いていた。


ありがとうございます。


たぶんこれは
初期の彼らよりも
ずっとずっと複雑な味わいの料理なんだと思う。
この10年の歩みが具となって
アルバムという鍋にしっかりと放り込まれているはずだ。


でも、
その今回のツユの味、
うれしいことに
大好きなセカンド・アルバム「Beach Party」を思い出させてくれる。


しかもそのツユ、
あのころよりも
重たくなっていないし、
どろっともしてない。


むしろ
かつてよりもずっと
シャキシャキッと鮮やかに歯切れがいい。


この4月からMXテレビ
侍ジャイアンツ」の再放送が始まったというニュースを聞いて
どういうわけかScoobie Doのことを
ちょうど思い出していたところだった。


ばかばかしいけど
無骨で純情でからっとしていて
無性に胸が熱くなる愛すべきあの感じ、
バンドで言えば、
そういうことかもしれないな、と……。