mrbq

なにかあり/とくになし

雨は小降りなれどいまだ上がらず

どうもいけません、
という状態は少しずつおさまりつつある。


しかし、
瞬間的に
うわの空になってしまう状態はまだ続いているらしい。


書店で領収書をもらうときに
店員さんに
「ぶっちゃけ何になさいますか?」
と訊かれ、
思わず
「確定申告に必要なんです」
と言おうとしてしまった。


彼は
但し書きの“うちわけ”は何にしますかと
訊いていたのだった。


もっとも、
こういう空耳は平常時でも少なくない。


バスに乗っていると
地元のお店のCMがアナウンスされることがあるが、
「バリ安料金のコインランドリーでございます」という
フレーズをよく耳にする。


“バリ安”とはまだ豪快に出たなと思っていたのだが、
それもよく聞くと、ただの“割安”だったりする。


まあ、
こう見えて、
いつも人知れずうろたえているわけで、
今週はその度合いがちょっと増してもいるわけです。


今日は昼間に取材が一件あり、
自由が丘に向かった。


出発する直前から
iPhoneの画面がまっくらになり
うんともすんとも言わなくなった。


ゲゲ、
これは故障というやつか。


しかも運悪く
雨の中、自由が丘で道に迷ってしまい、
待ち合わせにも遅れそうになった(ぎりぎりセーフ)。


なんだかんだで
困ることも多いので
取材後、iPhone修理のためアップル・ストアに向かう。


2階にあるカスタマー・サポートに向かうと
呼び出しのボードに「カクバリ様」と書いてある。


あれれ?
やっぱりまだ頭がぼけてるのかな?
どうせ何かの空目(見間違い)だと勝手に片付けてしまった。


そして
店員さんに
「あのお、iPhoneがこわれまして……」と
ポケットから差し出した瞬間、


画面は復活していた。
あら、あらら〜?


そして振り返ると
目の前に角張渉本人がいた。


「おっす」


そういう決着の仕方を
現実はときどきする。


そのおかげで
せつなさで浮き足立っていた数日が
すとんと着地したようでもあるし、
まだ狐につままれたままのようでもある。


やはり
9日の昼間、
青山葬儀所に行けということだな。


雨は小降りなれどいまだ上がらず。