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なにかあり/とくになし

青い空を濁った雲がかけてった

キングジョーとの合作漫画を
このところウェブで続々発表している須田信太郎氏は
ものすごくいい漫画家なのだと激・推薦を受けていた。


その須田さんの代表作である
「江戸川ハートブレイカーズ」(ヤンマガKCスペシャル)を
ようやく入手した。
しかし1巻だけ。


夕方、
ちょっと食事してくると言い残して店を出て、
明治通りルノアールへしけこむ。


バタートーストとカフェオレを注文し、
おしぼりで顔を拭って
ページを開いた。


……まいった。
どうしてこれを
今まで知らずにいたんだろう。


ロックとDJ文化がクロスし始めた時代を生きたことに
身に覚えのある連中なら誰もが感じたはずの
やるせない行き場のなさと
容赦ない空の青さが
身を削って描いてある。


青い空を濁った雲がかけてった。
あるいは
筆圧の強すぎるよしもとよしとも


記憶がないのは、
ヤンマガ」派じゃなかったから?
といっても「江戸川ハートブレイカーズ」は
ヤンマガ」の増刊である「海賊版」に掲載されていた。
海賊版」までは読んでいなかったと思う。


それとも
キャッチーとは言えない1巻の表紙が
ぼくをスルーさせていたのだろうか。


連載は1993年から94年にかけて。
第1巻の奥付は
1994年3月5日になっていた。


その日付は
ぼくがようやく大学を卒業する94年の春とシンクロしていた。


まるで自分みたいだったから
気がつかなかったんじゃないの?
自分は自分のしていることに
気がつけない(それはいまだにそう)。


「江戸川ハートブレイカーズ」復刻に一票。


何故なら2巻を探す作業は
結構困難をきわめているし、
2009年の迷える世代にだって
迷えずにいる40代にだって
読んでほしいと思うから。


夜、
高橋洋二「オールバックの放送作家ーーその生活と意見」(国書刊行会)が
届いていた。


ありがとうございます。


これはとても風呂で読むにはもったいないので
明日から携帯本にします。


高橋さんの第一作である名著「10点さしあげる」(大栄出版)は
現在すでに版元倒産のため絶版だが、
今(6月2日現在)なら先着一名様、
amazonで1円発売中!


(追記)
6月2日午後8時現在では100円になっています。