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なにかあり/とくになし

「習う」

グッドラックヘイワ「THUNDER」の
麻雀大会を収録したおまけブックレットのタイトルを
「平和雷鳴記」と書くべきところを
昨日、「平和麻雀記」と書いておりました(訂正済)。


まことに申し訳ありません。
「平和麻雀記」じゃ、そのまんまじゃないか。


で、
その「THUNDER」の話。


サンプル音源をもらったときから
よく聴いているのは「習う」という曲。


ぼくの記憶が確かなら
この曲を初めて聴いたのは
去年の秋の横浜だった。


その日のことを
よく覚えているのは
グッドラックヘイワのライヴが
良いとは言えないものだったからだ。


野村卓史のプレイも、
感情機能の調節が利かなくなった肉体を持て余したように
ばたばたと攻撃的な激しさばかりが気になった。


バンドを続けていれば
そういう夜もあるだろう。


ただ、その横浜の夜、
最後に演奏されたのが
「習う」のプロトタイプと思しき曲のことが
ぼくは忘れられずにいる。


実際には
タイトルすら紹介していなかったのだが、
だけど、あれは確かに「習う」だったはずだ。
そして、
もっと静かなアレンジで
曲の骨組みを聴いているような雰囲気があった。


まるで呼吸を整えるように
野村卓史はピアノを弾いていて、
その数分間に、ぼくは固唾をのんだ。
そして椅子に深く腰掛けなおした。


プロとして考えれば
そういう気の落ち着け方は
おおやけに見せるべきものではなかったかもしれない。


でも、
感情の揺れを隠せない心のヤワさと、
それを回復するのは自分の音楽しかないという
必死のあがきみたいなものも、
このひとの魅力なんだよなと
感じたりしたのだ。


1月に福岡で見たライヴでは
そんな昔のことなど忘れたと言わんばかりに
タフで挑戦的な最高の演奏を見せつけてくれたけれど。


新作で
きちんと作品になった「習う」を聴いていて
考えることはまだいろいろある。


近々
またライヴを見るだろうし、
そのときにでもまた。