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なにかあり/とくになし

夏の日、力也、武満

苗場から帰り着き、
死んだように眠る。


ハイファイにはお休みをいただいていたので
気兼ねなく寝る。


昼過ぎにようやく目が覚めた。


阿佐ヶ谷ラピュタ
武満徹の映画音楽」という
シリーズ企画をやっていたことを思い出し、
本日の最終上映にひとりで出かけた。


外は昨日の苗場とは打って変わって
気持ちのいい夕焼け空だった。


武満さんの「サマー・ソルジャー」という映画のためのテーマ曲を
最近よく聴いている。


家に「武満徹 映画音楽」というCDボックスがあって、
ハマっている、というほど集中してはいないけれど、
ぼおっと聴いてしまうのだ。


今日19時の回に上映されるのは
和田嘉訓監督の「自動車泥棒」(1964年)で
この音楽はボックスには収録されていない。
聴けないとなれば、聴きたいなと思う。


戦後に生まれた混血のみなしごたちが
高級車の部品を盗み集め、
自分たちだけの車を作って外の世界に飛び出そうとする
そのストーリーにも惹かれた。


袋小路のシリアスさも
思いがけないファンタジーもある題材を
やぶれかぶれのワイルドさで引き裂いて
画面狭しと暴れまくる主人公が
これが芸能界デビューとなる安岡力也17歳!


映画そのものにも
未熟な情熱がこれでもかと炸裂していた。


武満さんの書いた
遠いアメリカをうっすらとにじませたオーケストラ・スコアは
貧しくて荒くれた混血児たちの夢を救い上げているようで
やさしくてかなしくて。


同日同刻、
隅田川では花火大会、
フジロックでは清志郎のトリビュート、
ぼくは阿佐ヶ谷で「自動車泥棒」を見ている。


帰り道、
橋本真也表紙の「kamipro」(衝動買い)、
いくえみ綾潔く柔く」10巻(マーガレットコミックス)
志村貴子放浪息子」9巻(BEAM COMIX)
レディボーデンの箱入りアイスを買った。