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なにかあり/とくになし

白髪についての書き忘れ

昨日書いた白髪の話で
何か書き忘れているような気がして
つらつらと帰り道に考えていた。


忘れていたのは
これだった。


由利徹植木等
昭和の茶の間とスクリーンを代表する
コメディアン同士がやり合った口論の話。
話の内容からし
すでにおふたりとも老境にさしかかったころだと思う。


由利さんの言い分は
歳を取った芸人が
白髪頭のまま人前に登場するなんて
そんなにみっともないことはない、というもの。


それに対して
植木さんが
人間歳を取ったらみんな白髪や薄毛になる。
それを正直に見せられないなんて
どうかしてる、という意味の主張をした。


ふたりの名人が
この件でやいのやいのとやり合ったのか、
ツンと反目して口もきかなくなったのか、
そんなところまではぼくは知らない。


だが、このふたりの意見が
それぞれの生き方をとてもよく表していることは間違いない。


植木さんには残念ながらお会いすることが叶わなかったが、
由利さんには一度だけお会いしたことがあって、
かつてこのブログにも書いている。


そう言えば、
あのとき由利さんの髪は黒かった。
その記憶は
ぼくにとって由利さんの気高さを物語る
立派な裏付けになっているのだ。


“老ける”という態度に関して
白髪をそのままにしているぼくは
植木さんの意見を汲むということになるのだが、
この文章を書きながら
由利さんにものすごくシンパシーを感じているというのも
またひとつの本心であったりする。


話は白髪とは関係ないが、
忘れていたと言えば、
これもそう。


先週、発売開始だったんです。
買わざるをえないようです。
本棚の場所を空けようと思います。


あ、
これ
これ
忘れちゃいないんですが、
シメキリ女中に今ちょっとだけ見張られてるんです。