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なにかあり/とくになし

彼女は“つづき”を描きたがる

帰りの夜道で自転車を漕いでいたら
どうも調子がわるい。


前輪のすべりが重く
ペダルもキコキコといやな音をたてる。
チェーンがゆるんでいるのかなと
用心深く踏み込んでいたら
しまいにはゴゴッと変な感触がして
ペダルが半回転以上回らなくなってしまった。


なんとかだましだましで家までたどり着けはしたものの
明日か
もしくは近いうちに修理に出さなくてはならないだろう。


この自転車
かれこれ10年近く前に
友人からDJイベントのときにいただいたもので、
その夜、レコードを前かごに乗せて
渋谷から阿佐ヶ谷まで漕いで帰ったのを覚えている。


大事に乗ったぞと
胸を張って言えるほどメンテナンスしてきたわけではないが
まだまだ愛着はある。


もう少し生きててくれないと。
来週もDJあるし。


宇仁田ゆみうさぎドロップ」6巻(祥伝社)。


フィクションの特権である
Happily Ever After”すなわち
あとはしあわせに暮らしましたとさ、を
この作家は自分にゆるしたくないのだと痛感した。


“つづき”を描き続ける彼女の業にふれた気がした6巻。
エンドマークで簡単にケリがつかず、
だからこそいとおしいのは
人生も一緒だ。


強敵の多い今月、一番好きな漫画。