行きの顔、いきなりの雨、帰りの顔
出がけに受けた一本の電話。
しばし思考が停止する。
おおやけの場所に書き立てるような事柄ではないので詳述は控えるが、
脳の中の思い出中枢をかき乱され、
うまく考えがまとまらない。
頭の中がばらばらになると
逆に無表情になる。
淡々と駅までの道を歩いた。
昼間、
渋谷はひどい雨がいきなり降って
すぐに知らんぷりしたように止みくさる。
夜、
お店でもう一本電話を受けた。
こちらはうれしいしらせ。
またひとつ
書く場所を与えていただけそうで
声をかけていただけるのはありがたい。
帰りはそのネタを考えながら夜道を歩いた。
くらがりで他人には見えなかったと思うが
少しにやにやとしていた。