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なにかあり/とくになし

東京にはいろんな外人がいる

風が吹くと桶屋がもうかる。


風が吹くとレコード屋にも
珍しい客が舞い込んでくる。


台風一過の今日、
夕暮れどきに店にやってきたのは
赤毛に眼鏡の白人中年と
ちょっとエキゾチックな顔立ちの女性。


お店にやってくる外人は
レコードを物珍しそうに見ても
店内を一周して出ていってしまうものだが、
彼らは足を止めた。


「ルック! シャッグスのCDがあるぞ!」
なんて言ってる。


話しかけると
彼らはサンフランシスコから来たという。


彼「彼女は歌をうたっているんだよ。
  MySpaceもやってるんだ」
彼女「ちょっとよしてよ、あんた」(恥ずかしそうに)


おもしろそうなので
ちょっと彼女のページに寄ってみた。


音を聴いたらもっとおもしろい。
コードオルガンという
アコーディオン風の音色のする変わったオルガンを弾きながら
一風変わったジャズソングみたいな独自の世界を彼女は歌う。


およ?
フレンドの中にラルフ・カーネイがいるじゃないの。


どれどれ?
自分の音楽のジャンルを
「Black Metal / Comedy / Southern Rock」なんて書いてるし(すべてウソ)。
やっぱりこいつは変態だ。
でもラルフ・カーネイズ・シリアス・ジャス・プロジェクトのCD、
欲しい!


彼「きみ、ラルフ・カーネイを知ってるの?
  トム・ウェイツのバンドにいたから?」
ぼく「それもあるけど、
   彼はジョナサン・リッチマンと一時期一緒にやってたから」
彼「ああ、そうか!
  ぼくはジョナサンの結婚式で演奏したんだよ」
ぼく「うっそ!」
彼女「マイク(彼)はピアニストで、
   わたしやラルフと一緒に
   コットンテイルズってバンドもやってるのよ」
彼「ぼくらはラルフを知りすぎているね。
  これはものすごく珍しいことだよ(笑)」


おお、コットンテイルズもここにあった。
これは素敵!


おもしろいなあ。


彼らも店のことを
ベリー・ユニークだと褒めてくれた。


ふたりは10/9(金)に
東京のパーティーで演奏をするんだと言った。
すごく見てみたいけど今回は無理そう。
急遽決まったこっちに行かなくちゃならなくて。


東京にはいろんな外人がいる。
そして外人たちにとって
日本はまだまだおもしろい街に見えるみたいだ。
あとどれくらいおもしろくいられるだろう?
あらためてそんなことを
ふと切実に思う。


帰りがけに
居酒屋からほろ酔いで出て来た中年外人ふたり連れとすれ違った。
ふたりは人目もはばからず大声で話していた。


「ハウ・アバウト・キャバクーラ?」
「イエー!」


東京にはいろんな外人がいる。