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なにかあり/とくになし

シー・ユー・レイター・スティーヴ・ファーガソン

テリー・アダムス・ロックンロール・カルテットの
記念すべき初来日公演初日@渋谷O-Nest
アンコール最後の曲を始める前に
テリー・アダムスは
「よーし、スティーヴ・ファーガソンとロックしようぜ」という意味のことを
短く言った。


そして
ティーヴがNRBQに残した
「エイント・イット・オーライト」を
バンドは力強く演奏したのだった。


40数年前にNRBQを結成したオリジナル・メンバーであり
神秘的なするどさを漂わす伝説のギタリストであり
バンド脱退後の生涯を故郷で暮らした生粋のケンタッキー男、
ティーヴ・ファーガソンは今週亡くなった。


すでに去年から重い病気で
闘病をしているということは
アメリカのファンの間では伝えられていた。


結果的に言えば
3年前に彼が日本の地を踏んで
ライヴを出来たということは
今となってはほかに代え難いしあわせだった。


それにしても
親友というか
戦友と言ってもいいスティーヴを
わずかな言葉と
最高の演奏で
送るということに徹したテリーは
いい男だ。


あのとき
テリーがスティーヴの名前を出しながら
ちょっとだけ天を仰いだことを
ぼくは忘れずに覚えていたい。