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なにかあり/とくになし

真野さんの残像

夕食どき、
テレビのリモコンを何気なくザッピングしていたら、
不意に指が止まった。


あ、
真野(まや)響子。
しかも一緒に妹の
眞野(まの)あずさ。
しかも一緒に風呂入ってる。


テレビ東京の「いい旅夢気分」であった。


この番組、
ぼくの休みの水曜日に放映されるということもあるけれど、
ときどきこういう
ドキッとさせるキャスティングをする。


お姉さんの真野響子と言えば、
高橋留美子めぞん一刻」で
五代くんの友人である坂本が
「永遠のアイドルなの」と公言し(飼い猫の名も“響子”)
部屋に大きなポスターを貼っていたシーンが忘れられない。


確か
音無響子さんの“響子”も
真野さんが由来であった、はず(不確実)。


当時(80〜82年ごろ)、真野さんは
NHKで「御宿かわせみ」のヒロインもやっていた。
めぞん一刻」も「御宿かわせみ」も
中学生のぼくには背伸びして覗き見る世界だった。


めぞん一刻」の方は
連載続行とともにぼくも歳を取り
1987年に大学入学をした年で連載終了ということで
うまく思春期の終了とシンクロしたオチがついた。


ところが真野さんは
最初からおとなとしてぼくの前に登場し
当然ながらずっとおとなのままだから
憧れという甘酸っぱい成分は消えないまま。
だから
真野さんをときどき目撃すると
その甘酸っぱさがぶりかえしてくるのです。


これは
好きな女優さんはこのひと、とか
そういう位置付けでは説明のつかない感情。
憧れの残像のいたずらとでもいうのか。


久しぶりに拝んだ美人姉妹の姿は
あいかわらずお美しく、
ギリシャあたりの彫像が湯治をしているようにも見えた。


その後、
もう一周だけザッピングをしてテレ東に戻ってきたら
「夢気分」の案内役は
山●邦子と瀬川●子に変わっていた。


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