ローマ人の“風呂の”物語

「よつばと！」の9巻と
「のだめカンタービレ」の23巻を買いに
本屋に寄ったのだが、
「のだめ」の方が見つからず、
おかしいなあ……、と視線をさまよわせているうちに
視線があるコミックの表紙
その一点に釘付けに。

古代ローマの彫像が
片手に手桶
肩にはタオル。

彫刻ということでギリギリセーフなのか、
堂々と男性の中心部も描かれていて。

こりゃなんだ？

帯には
「古代ローマの男、
　現代日本の風呂へ
　タイムスリップ！」
とある。

次の瞬間には
「よつばと！」と一緒にしてレジに並んでいた。

ないないないと思っていた「のだめ」は
レジ前にどかんと山積みになっていたのだが、
「山積みなら、今おれが買わなくてもいいか！」と
あっさりスルーすることにした。

ぼくには今日は
この意味不明の一冊がある！

そして帰宅後、
本のテーマに添うべく
由緒正しく風呂の中でご開帳。

あらためまして
ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」1巻（BEAM COMIX）。

紀元2世紀
ハドリアヌス帝統治下のローマ帝国の
悩み多き建築技師ルシウスが
ローマの公衆浴場の排水口に吸い込まれ
たどり着いた先、
それは現代日本下町の銭湯だったのです……って。

歴史的
かつ
小ネタ的なディテールの細かさ正しさが誘う笑い、
それは爆笑ではなく
くすぐったさに近いもの。

だってここはお風呂。
笑いすぎて
のぼせちゃいけない。

おもしろすぎるから
「よつばと！」は明日読もう。

今はポルトガルに住みながら
漫画を描いているという女性漫画家ヤマザキマリ。
エピソードごとに挟み込まれる文章も
とてもいい。

他の作品も
俄然気になってきた。