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なにかあり/とくになし

バミューダ幻想

冬物のジーンズを
久しぶりに引っ張りだしたら
すこし裾が短く感じた。


最近は長めの裾にしているので
その錯覚も手伝ってよけいに短めに思えた。


あやうくバミューダパンツかと思ったわい。


バミューダと言えば、
田舎に育ったぼくにとって
それは初めて知った男子オシャレのひとつだった。


小学生のころ
福岡から夏休みで遊びに来た同年代の従兄弟が
ふたり揃って履いていた
裾の短いズボン。


見慣れた半ズボン姿の兄弟じゃない。
膝が隠れるくらいの長さが
その分だけ彼らがおとなに近づいた気がしてくらくらした。


そういう意味で言うと
今でも
半ズボンと長ズボンの間くらいの
膝がちょっと隠れるか見えるかぐらいの
甘酸っぱさとおとなっぽさを行き来してるぐらいの
音楽や漫画に反応しているという部分は否めない、かも。


昨日から
ハイファイで扱い始めたLEMOというユニット、
彼らのミニアルバム「FANTAGENIUS」も
ぼくのスウィートスポットに
すっと収まった。


そして
期待の漫画家、元町夏央
短篇集「熱病加速装置」(ビッグコミックス)が出た。


アフタヌーン」での貴重なデビュー作「橙」(2000年)を収録するなど
初期の読み切り作品をまとめてくれたのはうれしいけど、
この本のタイトルは
「てんねんかじつ」の方がよかったんじゃないかと
勝手に思う。


ビッグコミックスピリッツ」誌上に3回連続で掲載され
ぼくをまんまと食いつかせた傑作「てんねんかじつ」が
ようやく単行本化されたことを
素直によろこびたいのだ。