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なにかあり/とくになし

もちの歌を聴け

ここのところ数年、
一月一日には何もしていない。


今日、
ぼくのかわりにせわしなく働いたのは
年賀状を次々と印刷してくれるプリンターぐらい。


うぃんうぃんと稼働し続ける我が家のエプソンの音が
ドラッギーな幻聴をもたらすことは
ここにも書いている。


そのプリンターの音を聴きつつ
雑煮のもちを
ストーブの上で焼きながらひっくりかえすのが
ぼくの役目だ。


絶え間なく繰り返されるプリンターの反復ビートに対し、
ストーブの上のもちは
ちりちりちわわと
つぶやきにも似た音を出す。


まるでビートニクな吟遊詩人(もち)。
あるいは、
もちの歌を聴け。


神妙に耳を傾けていると
それまで吟遊詩人のようにぼそぼそと歌っていたもちが
大きな口を突然ぱかっとあけて
「むがうわおえ〜ん」とふくらんだ。


うわ!


口あけましておめでとうございます!


今年も
もちが弾けた程度で
おどろく一年を送りたく思います。