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なにかあり/とくになし

マイマイ新子と千年の魔法

去年の暮れ、
近所でやっていることがわかっていたのに
多忙と
多忙を呼び込む自分の怠け癖に負けて
見逃した映画があった。


マイマイ新子と千年の魔法」というアニメのことだ。


その評判の高さと
ロードショー時のかわいそうな客入りのギャップは
ひとづてに聞いていた。


原作は小説家、高樹のぶ子の自伝的作品「マイマイ新子」(新潮文庫)。
映画版は
これも去年あっさり見逃した
サマーウォーズ」と同じマッドハウスの制作で
脚本と監督は片渕須直


ウィキペディアによると片渕氏は
魔女の宅急便」をもともと監督するはずだったひと、とある。


帰省から帰ってみたら
なんと年末の限定上映と聞いていた
ラピュタ阿佐ヶ谷でのレイトショーが
好評につき1/9より3週間上映決定とあるではないか。


これは縁起がいいぞと
いそいそと駅前まで出かけた。


去年の暮れの上映期間には
入場制限も出るほどの盛況だったそうだが、
この日は30人弱くらいか。
それでも狭いラピュタの場内は
十分に埋まる。


玄人くささをぷんぷんさせたアニメ通と思しき連中と
評判を聞いてやってきたひとり客や恋人同士。
その比率は半々くらいだろうか。


山口県の田舎町に暮らす空想好きの天然児、青木新子と
彼女をめぐる子どもたちの友情と、
新子が頭の中で夢想する千年前のお姫様の物語が
交錯しながら映画は進む。


映画の組み立てとしては
本当は説明不足な部分も結構あるのかもしれない。
現代のスピーディーで山場だらけのアニメに慣れた子どもたちには
この作品で必要なイマジネーションは
ちょっとハードルが高いかもしれない。


それでも
これぐらいの夢想癖は
子どもの基本スペックとして
今もどこかに備わっているとぼくは信じたい。
甥っ子たちと触れ合ってきたばかりの今だから
なおさらそう信じたい。


頭の中の世界に突き動かされて
笑って走って叫んで泣いている子どもたちを
きらいになれるわけがないじゃないか。


それとも、
ぼくの頭の中が
まだまだ子どもと一緒だということなんだろうか。


毎日20時50分からの一回上映。
最終日の1月29日までまだ間はあるが
これを逃すとスクリーンで見るチャンスは
もうそれほど多くはないと思う。


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