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なにかあり/とくになし

空の上の麻田さん

昨日も書いた
帰省中の飛行機の話のつづき。


米原万里さんの本を閉じて
すこし眠気に身をまかせたり(酔ってもいた)、
スクリーンに映し出される映像をぼんやり眺めたり、
機内誌をぱらぱらとめくったり。


ANAの機内誌「翼の王国」では
以前は片岡義男さんの素敵なエッセイを読んだことがある。
一般の音楽雑誌ではもはや絶対に紹介されないような
古いレコードのことを片岡さんは書いていた。


たとえばこんなレコードとか。


きっと音楽好きの編集者がいるのだろう。


ひさびさにめくった「翼の王国」には
片岡さんの文章はなかったが、
そのかわりに
トムズ・キャビン主宰の麻田浩さんの連載を見つけた。


今月は
CDでは味わえないアナログレコードの魅力についての一文だった。
わかりやすくて
ほどよく力も抜けていて
人間くさいのに洒落てもいる。
これなら音楽事情にそれほど通じていなくても
すっと内容が飲み込めるだろう。


ぼくも先月「ミュージックマガジン」の隅っこに
アナログ盤への興味がアメリカで復活しはじめているという
この話題にすこし関連したような内容の文章を書いたが、
麻田さんのおとなっぽい語り口を目にすると
自分の書いたことが妙に気色ばんだ調子に思えて
なんだかくやしい気分にすらなった。


昨日書いたフランス人のことわざを
いきなりひっくり返すようだが、
歳を取ったからこそできることも
やはりあるのだ。


今月ANAに乗る機会が
もしあるひとは
是非読んでみてください。
連載のタイトルは確か「Backstage Pass」だった。


それから
この号には
年始好例の干支占いも載っていた。


ぼくの干支(申)は
今年絶好調だというみっつの干支のうちのひとつらしい。


なんと
帰省に同行している弟の干支もその絶好調のひとつだった。
厄年兄弟のはずなのに。


ぼくの隣に座るツマの干支は
今年前半に親孝行をするとよいとあった。


早速ツマは
何やら考え始めたみたいだ。