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なにかあり/とくになし

くせの唄(仮)

青山CAYで行われている
「デイジーワールドの集い」で、
星野源バンドを見た。


メンバーは
野村卓史グッドラックヘイワ
伊藤大地サケロックグッドラックヘイワ
伊賀航(lake、細野晴臣グループ)。


このメンバーでは初めてのライヴとなる。


すこし緊張の面持ちで現れ
それを振り切るようにぐんぐんドライヴした
グッドラックヘイワのライヴに続き、
星野源グループの4人はステージに現れた。


バンドの演奏は
思ったよりもずっとやわらかく練れたものになっていた。
そしてバンドを従えることで
星野の唄は
いつもよりずっとてらいのない
張りのある強さを感じさせる響きになっていた。


サケロックでも歌っているのだから
同じじゃないかと言われたらそうかもしれないのだが、
バンドにおけるリーダーシップではなく
自分が自分に責任を持つという感じの強さなのだと思う。


「夜中唄」
「穴を掘る」
そして3曲目が新曲。
この新曲には驚いた。


最近書いたばかりで
タイトルもまだ仮の状態だというその曲は
かなりまっとうに
聴く者の胸に響くラブソングだったのだ。


落ち着いた曲調で
メロディもかなりまっすぐで、
いじくりすぎたり
悪のりしたところがない。


無理しておもしろがる必要がまったくなく
深読みもまったくいらない。
そんな唄を星野源がうたった。


何と言うか
そのきちんとした唄を
きちんとうたう星野は、
聴いているぼくたちの
ばかばかしい毎日を
「やればできるさ」的な無責任さで飾り立てるのではなく、
ただばかばかしいままで
きちんと愛おしく思わせることに成功していた。


「スーダラ節」をコミックソングだと思っていないと
かつて「QJ」でインタビューに答えてくれた星野源の、
その続きをぼくは今夜聴いた気がした。


グッドラックヘイワ
そしてトリは
細野晴臣グループ+高橋幸宏高野寛という
贅沢な顔ぶれに挟まれて
星野源バンドのお披露目ライヴは3曲で終わった。


新曲の仮タイトルを
星野は「くせの唄」だと言った。


漢字がこれで合っているのかどうかはわからないが
「くせの唄」のことを
覚えておきたい。


ソロ・アルバムのレコーディングは
このメンバーでもうじき始まるらしい。